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耳血腫

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 耳血腫は、耳の垂れている犬種で発生することが多く、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなどが好発犬種です。最近では折れ耳のスコティッシュフォールドでも見られます。
耳血腫が生じると、耳はジャムがたっぷり入っているクレープのような感触になります。
原因は、頭部を激しく振ったり、耳をひっかくことによって耳の表皮と耳介軟骨の間が解離し、その隙間に血液が溜まるためと考えられています。特に細菌感染や、寄生虫などによって耳が痒くなる状態あるとて頭を振ると遠心力で耳の表皮と軟骨が解離し、その隙間に血液が溜まるためと考えられています。


処置の手順


 治療法は、教科書的には麻酔下で十分な切開をするのですが、当院では無麻酔で処置します。
耳パンチ.JPG①皮膚生検用のパンチを利用し穴をあけ、溜まった血液を排除します。
②軟骨と皮膚が解離しないように1穴に1糸の割合で縫合します。
③帰りの車内で血が飛び散らないようにガーゼを巻きます。
④基本的には翌日にガーゼをはずします。
抗生剤と短期間の消炎剤の内服が必要です。耳の表皮に穴が開いているため、しばらく排液がつづき、糸で抑えてある軟骨と表皮が接着してきます。やがて皮膚が再生し、自然に穴がふさがったら抜糸をし治療終了になります。この治療方法で行うこと、処置後の再発を非常に少なくすることができます。






耳血腫の予防方法


上記のような耳血腫の発症や再発を防ぐためには、耳のケアーは非常に大切です。
外耳炎の治療は、内服や外用薬などが必要になります。治療後のよい状態を維持するためには、イヤークリーナーが必要不可欠です。特に上記の犬種・猫種では、外耳炎を治すだけではなく、いかに耳の健康な状態を維持するかが大切になります。
耳クリーナー.JPG外耳炎をよく引き起こす場合、当院では最低週1回のイヤークリーナーでの耳洗浄を推奨しています。
①耳の穴に十分な薬液をいれます
②耳の根元を「くちゅくちゅ」と音が鳴るように20回ほどマッサージします
③最後にティッシュで汚れと一緒に液を吸い取ります
※基本的に綿棒などは使用しないでください。綿棒でこすってしまうと炎症が悪化することがあります。
耳に水分を入れるのに抵抗があるかもしれませんが、イヤークリーナーは耳に入れて使用するもののため心配はありません。