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海水魚の白点病

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 これまで海水魚の白点病の治療は硫酸銅以外に著効する薬剤はありませんでした。しかし、硫酸銅を使用してしまうとイソギンチャクやエビ、サンゴやライブロックなどの無脊椎動物が死滅してしまうばかりか、ろ過材や石に重金属が蓄積し無脊椎動物が飼えない水槽になってしまうことが悩みでした。そこで、しんせつ動物病院では新薬の臨床試験を始めました(臨床試験は熱帯魚店に協力していただいてデータを取っています)。

白点病アバサー.JPGたまたま仕入れててきたハリセンボン3匹に白点虫がたくさん付いていました【画像左:白点病のハリセンボン】。
早速、海水魚用のハンバーグに新薬を練りこみ1日1回投与で3日間与えました。






アバサー回復.JPG海水魚の白点虫は表皮(鱗やひれ)に潜り込んで寄生し、数日すると増殖のために水中に遊離します。硫酸銅は、水中に遊離しているときに効きますが、この新薬は表皮に寄生しているときに効きます。白点虫は表皮の中で死滅するため、魚の表皮にしばらくは白い点々が残ります。だいたい1週間ぐらいすると虫体が吸収され、きれいな表皮にもどります。上記のハリセンボン3匹はいずれも完治しました【画像左:治療後1週間後のハリセンボンA】。