骨折の治療
骨折したとき、どのような治療法を選択するかはケースバイケースです。再生医療を重視した場合、先ず手術なしで治せないだろうかと考えます。1歳未満の犬で、おとなしく、骨折の断端が斜めになっていなければ、副子固定(ギブスや添え木など)を選択するかもしれません。当院ではRobert・Jones包帯とトーマス副子を組み合わせる方法を好みます。
左の写真の犬は、横からは横骨折のように見えましたが、正面からの写真で骨片が3つで斜骨折でした。この症例では、ピンニングと創外固定を組み合わせた手術方法を選択しました。
創外固定の利点は、以下のような利点があります。
①骨折部をバイパスして支えることができる
②骨折部を侵襲しない(回復が早い)
③骨折部の全周を筋組織と接触させる(回復期の骨折部の強い接合)
④異物を残さない
⑤除去に開傷が不要
⑥Degradation(少しずつ負重を増加)が可能
⑦Dynamization(骨を強固にする負荷)が可能
左の画像は手術後4週間目のレントゲン写真です。骨がくっついてきたので抜ピンをしました。
子猫が軽トラックに轢かれたことによって、尿が出なない状態になってしまいました。尿道逆行造影でレントゲン撮影したところ、尿道断裂を確認したため、緊急手術になりました。尿道が千切れ血の塊が詰まって膀胱に尿が貯留していました。このような場合は、生命維持を最優先させ、膀胱に管を挿入し、お腹かの方から管をだして尿が抜けるようにして第一回目の手術を終え時間をかせぎました。尿道の再構築と大腿骨関節付近の骨折の手術は後日行います。
画像尿を人工的に排泄でき、元気食欲が出たので3日後に再手術に踏み切りました。まず、お腹から骨盤まで切開し、恥骨結合を割って骨盤の中を観察しましたが、陰部側の尿道が確認できず、また膀胱側の尿道も伸展しないため尿道吻合手術をあきらめ、尿道をお腹に開口させる手術(恥骨前尿道瘻造設術)を実施しました。同時に大腿骨の骨折も14G留置針をクロスして用い整復しました。手術後、5日目から造設した尿道口から自立排尿が認めらたので、お腹のカテーテルの使用をやめ、そのあと再手術でカテーテルを抜去しました。おしっこをすると少しお腹は濡れますが、猫はグルーミングできれいにするので、排尿の問題は解決し退院できました。足のピンは4週間後に麻酔下で抜き治療を完了、計4回の手術によく耐えて、子猫ちゃんがんばりました。
症例1:斜骨折
左の写真の犬は、横からは横骨折のように見えましたが、正面からの写真で骨片が3つで斜骨折でした。この症例では、ピンニングと創外固定を組み合わせた手術方法を選択しました。
創外固定の利点は、以下のような利点があります。
①骨折部をバイパスして支えることができる
②骨折部を侵襲しない(回復が早い)
③骨折部の全周を筋組織と接触させる(回復期の骨折部の強い接合)
④異物を残さない
⑤除去に開傷が不要
⑥Degradation(少しずつ負重を増加)が可能
⑦Dynamization(骨を強固にする負荷)が可能
左の画像は手術後4週間目のレントゲン写真です。骨がくっついてきたので抜ピンをしました。
症例2:交通事故
子猫が軽トラックに轢かれたことによって、尿が出なない状態になってしまいました。尿道逆行造影でレントゲン撮影したところ、尿道断裂を確認したため、緊急手術になりました。尿道が千切れ血の塊が詰まって膀胱に尿が貯留していました。このような場合は、生命維持を最優先させ、膀胱に管を挿入し、お腹かの方から管をだして尿が抜けるようにして第一回目の手術を終え時間をかせぎました。尿道の再構築と大腿骨関節付近の骨折の手術は後日行います。
画像尿を人工的に排泄でき、元気食欲が出たので3日後に再手術に踏み切りました。まず、お腹から骨盤まで切開し、恥骨結合を割って骨盤の中を観察しましたが、陰部側の尿道が確認できず、また膀胱側の尿道も伸展しないため尿道吻合手術をあきらめ、尿道をお腹に開口させる手術(恥骨前尿道瘻造設術)を実施しました。同時に大腿骨の骨折も14G留置針をクロスして用い整復しました。手術後、5日目から造設した尿道口から自立排尿が認めらたので、お腹のカテーテルの使用をやめ、そのあと再手術でカテーテルを抜去しました。おしっこをすると少しお腹は濡れますが、猫はグルーミングできれいにするので、排尿の問題は解決し退院できました。足のピンは4週間後に麻酔下で抜き治療を完了、計4回の手術によく耐えて、子猫ちゃんがんばりました。